ここから、歩いてすぐのところに東公園があります。
実は東公園に動物園がありました。
今の若い人は、東公園に動物園があったとはご存じないでしょうが、現在の福岡市動植物園の前身で、1933年(昭和8年)に「御大典記念・福岡市動植物園」という名称で設立された昭和天皇御即位記念事業施設です。
昭和8年(1933年)8月20日に開園したときは飼育動物:哺乳類 65種164点 鳥類 124種500点その他両生類、は虫類、魚類等を飼育していました。
・初日入園者数:約5千人
・年間観覧人員(入園者数):約15万人 と記録があり、福岡市民の憩いの場でした。
昭和19年(1944年)5月20日 戦局悪化のため閉園して、その後、現在地に昭和28年(1953年)
8月22日 開園しました。
旧福岡市動植物園の正門は昭和24年に馬出1丁目に開校した福岡中学校の正門として使われましたが、、
昭和59年(1984年)に馬出小学校が当地に移転したあとは、正門の役目を終え現在は動物園の記念碑とした位置づけで残っています。。
門は、ドイツのハンブルグ市のハーゲンベック動物園正門を参考に作られ、門の左右にゾウのオブジェを配するなど特徴的なデザインです。現在のゾウオブジェは、平成4年に強化プラスチックで復元されたものです。
先ほどの、サビた電柱があった再来軒の前に戻り、再び唐津街道を歩いていくと、九大病院が近いせいか、戦後はこの辺りから千代3丁目まで大学通りといわれて、九大医学部学生や職員、病院、医療関係者、患者家族などを相手にした飲食店や薬局、美容室、果物店などの商店が連なっています。
唐津街道をよく利用していたのが筑豊の大富豪「伊藤伝衛門」の奥さんだった、「白蓮(本名・伊藤燁子(いとうあきこ)」です。
天神の自宅(現在の福岡銀行本店)から、福岡ナンバー第1号の自家用車に乗って、友人たちと、この道を通り、お気に入りの「箱崎浜」や「多々良浜」へ、しばしばドライブに出かけて歌を詠んだそうです。
ちなみに、本家となる伊藤伝衛門邸は飯塚市に現存しており、見学もできます。
さらに、世界的有名人もここを通っています。
アインシュタインもここを通って九大へ講演に向かった
大正11年(1922年)12月のクリスマスの日にノーベル賞受賞が決まったアインシュタイン博士が宿舎のさかえ屋旅館から、物理学者の石原淳と共にこの道を通り、アインシュタインの相対性理論を日本に最初に紹介した桑木教授の待つ九州大学工学部を訪れています。
博多祇園山笠のお汐井とりの際にも総流れがここを通りますよ。