福岡市中央区渡辺通り一丁目の交差点から薬院方面へ2,300メートル歩けば、思いっきりレトロな飲食街に遭遇します。
福岡を代表するビジネス街の傍らにポツンと位置しながらも、それと不思議なギャップを感じさせる懐かしい空間です。
この雰囲気が、また僕ら飲み助にとって、ほろ酔いできる最高のロケーションなのです。
その昭和レトロな飲食街が「三角市場」と言います。
三角市場の歴史
この三角市場は、戦後に発生した闇市を起源としています。
敗戦の翌年、引揚者や戦災者たちが(写真のように)
渡辺通り一丁目の場所に集まり、露店を開いたのが始まりです。
終戦後は福岡に限らず、全国あちらこちらで闇市が発生したのはご承知の通りです。
最も目立ったのが博多港周辺の朝鮮人バラックで作られた闇市で、次に大浜地区、旧博多駅前、渡辺通り一丁目、天神町、川端町などにあり、これらの闇市は復興計画に伴い別の場所へ移転し営業を続けていくようになりました。
しかし、闇市による横暴な商売や悪質な風紀などもあって、こうした事態をアメリカ軍のGHQが最も嫌い、これに応え市の行政指導が入るなど大浜地区、旧博多駅前の闇市は代替団地などへ立ち退き、移転によって消滅していきました。
渡辺通り一丁目の闇市は規模も大きく、その敷地形状から三角市場と呼ばれ、写真のように三角形の土地に蜜にバラックが立ち並んでいたようです。
このすぐ横に、当時は「柳町遊郭街」があったので、結構賑わっていた様子も知られています。